チワワやトイプーは要注意?小型犬に「歯のトラブル」が多い理由と、顎の形に合わせた専用ケアのすすめ


「うちの子、まだ若いのに口臭が気になる」「チワワやトイ・プードルは歯が弱いって本当?」と、愛犬のお口のトラブルに悩む飼い主さんは少なくありません。

実は、チワワやトイ・プードル、ポメラニアン、ヨークシャー・テテリアといった小型犬は、中大型犬に比べて圧倒的に歯周病になりやすく、歯のトラブルを抱えやすい傾向があります。これは単なる偶然ではなく、小型犬特有の身体の構造に大きな理由が隠されているのです。

愛犬がシニア期になっても自分の歯でおいしく食事ができるよう、小型犬ならではのリスクと、顎の形に合わせた特別なケア方法を詳しく解説します。


なぜ小型犬は「歯のトラブル」が起きやすいのか?

体が小さい小型犬には、お口の健康を損なう特有の条件がいくつか重なっています。まずはその理由を正しく理解しましょう。

1. 歯の大きさと顎のサイズのミスマッチ

犬の歯の数は、体の大きさに関わらず、乳歯で28本、永久歯で42本と決まっています。超小型犬であっても、ゴールデン・レトリバーと同じ数の歯が生えてくるのです。

小さな顎に無理やり多くの歯が並ぶため、歯と歯の間隔が極端に狭くなり、食べかすや歯垢が非常に溜まりやすい構造になっています。

2. 乳歯遺残(にゅうしいざん)の発生率が高い

小型犬は顎の成長がタイトなため、永久歯が乳歯を押し出す力がうまく伝わらず、乳歯が抜けずに残ってしまう「乳歯遺残」が非常に多く見られます。乳歯と永久歯が二重に生えている場所は、通常のブラッシングでは太刀打ちできないほど汚れが蓄積し、早期の歯周病を招きます。

3. 浅い歯根と顎の骨の薄さ

小型犬は顎の骨自体が非常に薄く、歯を支える土台がデリケートです。少し歯周病が進んだだけで、すぐに歯の根元(歯根)まで炎症が波及し、歯がグラグラし始めます。重症化すると、歯周病菌によって顎の骨が溶け、わずかな衝撃で顎が骨折してしまう「下顎骨折」という深刻な事態を招くこともあります。


顎の形に合わせた「小型犬専用」デンタルケアのポイント

大型犬と同じようなケアでは、小型犬の繊細なお口は守れません。その子の顎のサイズや形に合わせた「専用ケア」が必要です。

超小型ヘッドの歯ブラシを選ぶ

人間用の子供用歯ブラシでも、小型犬の奥歯には大きすぎることがあります。

  • ヘッドの薄さ: 頬の内側と歯の隙間に入るよう、できるだけヘッドが薄いものを選びましょう。

  • 毛の柔らかさ: 小型犬は歯茎も繊細です。硬い毛は痛みの原因になり歯みがき嫌いを加速させるため、「柔らかめ」を推奨します。

「点」で磨くタフトブラシの活用

歯が密集している小型犬には、毛先が筆のように尖った「タフトブラシ」が必須アイテムです。

  • 歯が重なっている部分や、一番奥の小さな歯など、普通の歯ブラシでは届かない場所を「点」で狙い撃ちします。これにより、ピンポイントで歯垢を掻き出すことができます。

歯の裏側と「上顎」への意識

小型犬の歯周病は、外側だけでなく「裏側(舌側)」や、歯が密集している上顎の前歯付近からも進行します。唇をめくるだけでなく、少しだけ口を開けてもらい、裏側をサッと撫でる習慣をつけましょう。


飼い主さんが絶対にやってはいけない「NGケア」

良かれと思ってやっていることが、小型犬にとっては逆効果になる場合があります。

  • 硬すぎるガムや骨を噛ませる:

    「噛んで歯垢を落とす」というイメージがありますが、小型犬の歯は折れやすい(破折)のが特徴です。蹄(ひづめ)や乾燥した鹿の角などの硬すぎるものを噛むと、歯の表面が欠けたり、根元から折れたりして激しい痛みを伴うことがあります。

  • 強引な歯石取り:

    自宅でスケーラーを使って歯石をカリカリ剥がそうとするのは非常に危険です。エナメル質を傷つけ、余計に汚れがつきやすくなるだけでなく、暴れた際に口内を突き刺すリスクがあります。


毎日の「30秒習慣」が愛犬の未来を変える

小型犬のケアで最も大切なのは、「一度に完璧を目指さない」ことです。

毎日お口のどこか1箇所を30秒だけケアする。今日は右側、明日は左側、というローテーションでも構いません。小型犬の歯周病の進行スピードは驚くほど速いですが、毎日のケアによる予防効果もまた絶大です。

お口を触るたびに「いい子だね」と声をかけ、ご褒美をあげながら、歯みがきを楽しいコミュニケーションの時間に変えていきましょう。