親知らずを抜くと小顔になるって本当?エラがスッキリ見える理由と医学的な真実
「親知らずを抜いたらフェイスラインがシュッとした」「友達が抜歯して小顔になったと言っていた」といった噂を耳にしたことはありませんか?
美容への関心が高い方の間で、親知らずの抜歯は一種の「小顔整形」のような期待を持たれることがあります。しかし、歯科医学的な観点から見ると、すべての人に劇的な小顔効果が現れるわけではありません。
この記事では、親知らず抜歯と小顔の関係性について、エラがスッキリ見える理由や医学的な真実を深掘りして解説します。
1. なぜ「親知らず抜歯=小顔」と言われるのか?
結論から言うと、親知らずを抜くことで結果的に顔の印象がスッキリし、小顔に見えるケースは実際に存在します。 ただし、これは顔の骨格そのものが小さくなるからではなく、主に「筋肉」と「骨の厚み」の変化によるものです。
具体的にどのようなメカニズムで変化が起きるのか、3つの主な理由を見ていきましょう。
理由①:エラ部分の骨(下顎角)が薄くなる
親知らずは、下顎の「エラ」に近い部分に位置しています。歯を抜くと、それまで歯を支えていた周囲の骨(歯槽骨)が、役割を終えて徐々に吸収され、痩せていきます。
特に親知らずが横向きに埋まっていて、エラの骨に厚みをもたせていた場合、抜歯後にその周辺のボリュームが減ることで、フェイスラインがシャープに見えることがあります。
理由②:噛む筋肉(咬筋)がスッキリする
親知らずが変な方向に生えていたり、上下で強く干渉していたりすると、無意識に噛み合わせを調整しようとして、エラの部分にある「咬筋(こうきん)」という筋肉が過剰に発達(肥大)してしまうことがあります。
抜歯によって噛み合わせのストレスが解消されると、この筋肉の張りが取れ、エラの張りが目立たなくなるという効果が期待できます。
理由③:顔のむくみが取れる
親知らず周辺に慢性的な炎症(智歯周囲炎)がある場合、お口の中や頬の粘膜が常にわずかに腫れている状態になります。抜歯によってこの炎症が完全に消失することで、本来のスッキリした顔立ちに戻るケースもあります。
2. 小顔効果を実感しやすい人の特徴
残念ながら、すべての人に同じような変化が起こるわけではありません。小顔効果を実感しやすいのは、以下のような条件に当てはまる方です。
下の親知らずが横向きに生えている
エラの骨に近い場所で横向きに埋まっている歯を抜くと、骨の吸収による変化が起きやすいとされています。
エラの筋肉(咬筋)が発達している
親知らずによる噛み合わせの不具合で、日常的に食いしばりや歯ぎしりがある方は、抜歯後に筋肉の緊張が和らぐ可能性が高いです。
顎の骨が薄いタイプの人
もともと顔の脂肪が少なく、骨格や筋肉の形がダイレクトに現れやすい方は、わずかな変化でも「痩せた?」「顔が小さくなった?」と気づかれやすい傾向にあります。
3. 医学的な真実:骨格そのものは変わらない
ここで重要なポイントは、親知らずを抜いても「顎の骨格の長さや形」が根本的に変わるわけではないということです。
美容整形で行われる「エラ削り」のように、下顎角(顎の角の部分)を直接切り落とすわけではありません。あくまで「歯を支えていた周辺の骨が少し痩せる」「発達していた筋肉が落ち着く」という範囲の変化であることを理解しておく必要があります。
したがって、「劇的に顔の形を変えたい」という目的だけで抜歯を選択するのは、歯科医学的には推奨されません。
4. 小顔効果よりも大切な「抜歯の健康メリット」
小顔効果はあくまで「副次的(おまけ)なメリット」と考えるのが賢明です。親知らずを抜く本来の目的は、お口全体の健康を守ることにあります。
歯並びの悪化を防ぐ: 後ろから前歯を押し出す力をなくし、綺麗な歯列を維持します。
虫歯・歯周病の予防: 最も奥にある清掃困難な場所を取り除くことで、隣の健康な歯の寿命を延ばします。
口臭の改善: 親知らず周辺に溜まる細菌や汚れがなくなることで、お口の中が清潔になります。
5. まとめ:親知らず抜歯とフェイスラインの真実
「親知らずを抜くと小顔になる」という話は、嘘ではありませんが、全員に当てはまる魔法でもありません。
エラの骨がわずかに痩せる
発達した噛む筋肉が落ち着く
慢性的な腫れが引く
これらの要因が重なったときに、目に見えてフェイスラインがスッキリする可能性があります。小顔効果に過度な期待を寄せるのではなく、まずは「自分の親知らずが将来的にトラブルを起こさないか」を歯科医師と相談することが大切です。
結果として、お口の健康が守られ、おまけにフェイスラインがスッキリすれば、それが一番理想的な形と言えるでしょう。
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