市販のマウスピースで逆効果に?歯医者で作る「ナイトガード」の寿命と、歯並びを守る驚きのメリット
「朝起きたときにあごが痛い」「家族に歯ぎしりを指摘された」という悩みを抱えたとき、手軽に試せる市販のマウスピースを検討する方は多いのではないでしょうか。しかし、良かれと思って始めたセルフケアが、実は大切な歯並びをさらに悪化させてしまうリスクがあることをご存じですか?
歯ぎしりや食いしばりは、放置すると歯が削れるだけでなく、歯が移動してガタガタになる原因となります。この記事では、市販品と歯科医院で作る「ナイトガード」の決定的な違い、そして歯並びを守るための正しい知識と寿命について詳しく解説します。
1. 市販のマウスピースが「逆効果」になる恐れがある理由
ドラッグストアやネット通販で安価に購入できるマウスピースは、お湯で温めて型取りをするタイプが主流です。一見便利ですが、プロの視点からはいくつかの懸念点があります。
噛み合わせのズレを助長する
市販品は精密な型取りができないため、上下の噛み合わせが微妙にズレた状態で固定されてしまうことがあります。不安定な噛み合わせは、脳が違和感を感じて余計に強く噛み締めてしまう「食いしばりの悪化」を招くケースが少なくありません。
歯を動かしてしまうリスク
マウスピースの適合が悪いと、特定の歯にだけ過度な側方圧(横に押す力)がかかります。これは「悪い方向への歯科矯正」をしているのと同じ状態。数ヶ月使い続けた結果、前歯がすきっ歯になったり、奥歯の噛み合わせが浮いてしまったりするトラブルが報告されています。
顎関節症の悪化
厚みが均一でないマウスピースを使用すると、あごの関節に無理な負担がかかります。口が開かなくなったり、あごを動かすたびに痛みが生じたりする顎関節症を引き起こす引き金になることもあるのです。
2. 歯科医院で作る「ナイトガード」3つの大きなメリット
歯科医院で一人ひとりの歯型に合わせてオーダーメイドで作るマウスピース(ナイトガード)には、市販品にはない圧倒的なメリットがあります。
精密な噛み合わせ調整
歯科医師は、ただ歯型を取るだけでなく、あごの動きや噛み合わせのバランスをミリ単位で調整します。全ての歯が均等に接触するように設計されるため、特定の歯が動かされる心配がなく、歯並びを安定させる「リテーナー」のような役割も果たします。
歯の摩耗と破折の徹底ガード
ナイトガードに使用される素材は、強固なプラスチック(ハードタイプ)や衝撃を吸収するソフトタイプなど、症状に合わせて選ばれます。寝ている間の100kgを超えるような衝撃から歯を守り、歯並びをガタガタにする原因となる「歯の削れ」を物理的に防ぎます。
筋肉の緊張緩和
適切な高さのナイトガードを装着することで、過剰に発達した「咬筋(噛む筋肉)」の緊張を解くことができます。これにより、エラ張りの改善や、起床時のあごの疲れ、慢性的な肩こりの軽減が期待できるのです。
3. 知っておきたいナイトガードの「寿命」と交換時期
ナイトガードは一度作れば一生使えるものではありません。歯を守るための消耗品であると理解しておくことが重要です。
一般的な寿命: およそ半年から2年程度と言われています。
寿命が来るサイン:
穴が開いた、またはヒビが入った
装着したときに以前より緩く感じる
汚れや黄ばみが目立ち、洗浄しても落ちない
歯科医院での噛み合わせチェックで「削れすぎ」を指摘された
穴が開くということは、それだけ自分の歯が削れるはずだった衝撃をナイトガードが肩代わりしてくれた証拠です。定期的なメンテナンスを受け、適切なタイミングで作り直すことが、結果として歯並びを長く美しく保つ秘訣です。
4. 歯並びと健康を守るための正しいステップ
もし、あなたが「歯並びがこれ以上悪くなるのを防ぎたい」「あごの疲れを解消したい」と願うなら、以下のステップを推奨します。
歯科検診を受ける: 自分の歯がどれくらい削れているか、歯並びに影響が出ているかを確認します。
型取りと精密作成: 自分の歯列に完全にフィットするナイトガードを作ります。保険適用で作れる場合も多いので、費用面でも安心です。
定期的な調整: ナイトガードは使っているうちに摩耗します。3〜6ヶ月に一度は歯科医院へ持参し、噛み合わせの微調整を受けましょう。
5. まとめ:自己判断が将来の歯並びを左右する
手軽な市販のマウスピースは魅力的に見えますが、その代償として歯並びを崩してしまっては本末転倒です。自分専用のナイトガードは、大切な天然の歯を守るための「最強のプロテクター」であり、未来の自分への賢い投資です。
ガタガタになってから矯正治療を行うよりも、今ある歯並びをナイトガードで守る方が、費用も期間も大幅に抑えることができます。朝の爽やかな目覚めと、自信の持てる口元を守るために、まずはプロによる診断を受けてみませんか?
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